冬こそ注意、冬のかくれ脱水
1.からだの大部分は水分でできている。
生体で最も多い成分は水です。人体では60%以上が水であり、細胞では80%以上にもなります。からだに含まれる水分のことを体液と呼び、主成分は水です。その他にはカルシウム・ナトリウム・カリウムなどのミネラル、ブドウ糖、タンパク質などから構成されています。
生きるために欠かせないのが、水分とミネラル。
成人では活動していなくても、1日に1.5〜2.5リットルの水分を失っています。これに対して、1〜2.5リットルの水分を補っています。通常は体から出ていく水分と入る水分のバランスが取れているのですが、状況によってこの水分バランスが崩れ脱水症になってしまいます。
ヒトの化学組成 (成人男性の場合) |
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成分 | 重量% |
水 | 60 |
タンパク質 | 17 |
糖質 | 0.5 |
脂質 | 15 |
核酸 | 1.2 |
無機物 | 5 |
2.冬も脱水症状が起きる
冬は夏のように汗をかかないので、水分補強をおろそかにしている場合もあります。しかし、冬でも脱水症は起こり、さらに夏に起こる脱水症以上に突然起こります。冬だからと言って安心せず、脱水症やかくれ脱水に十分注意が必要になります。
原因
● 冬は水分を摂取する量が減ります。大量に汗をかいていたら、積極的に水分を取るのですが、寒さなどで汗をかきにくい分、しっかり水分を取ることが少なくなります。
● 冷えてトイレに行く回数が増えると、それだけ水分は外に出ていっています。また、不感蒸泄といって、汗のように感じてはいませんが皮膚から、あるいは呼吸とともに水分が蒸発しています。(体重60kgの人が平熱、室温28℃の環境で1日に約900mlの不感蒸泄が起こっています。)
● 冬は乾燥しています。さらに部屋の中は暖房によって乾燥が進んでいます。無意識のうちにからだの水分が失われています。
● 冬に活発化するウィルス感染による脱水もあります。お腹の風邪とも言われている、感染性胃腸炎を引き起こすノロウィルスとロタウィルスは、激しい下痢や嘔吐を引き起こし、急激に大量の水分を消失させます。
脱水の症状
以下のようなことを感じたら、脱水症が起こっている可能性が大きいです。
● 肌の乾燥:肌の乾燥は水分不足からも起こります。外側からクリームを塗るだけでなく、体内への水分補給も必要です。
● 口内の粘り:口の中に粘りを感じたら脱水が始まっているサインです。
● 体のだるさ:体がだるい、気力が出ないという症状も脱水が起きている可能性があります。
● めまいがする:めまいや立ちくらみ、ふらつきなどを感じたら、脱水症がかなり進行している状態です。
対策
● 意識して水分を取りましょう。この時、水だけでなくミネラルも補給しましょう。
● 水分を沢山含んだ野菜で、鍋料理などが有効です。またみかんなどの果物もしっかり食べましょう。
● 部屋の加湿を行いましょう。加湿器があれば良いですが、ない場合はバスタオルなどの洗濯物を干すもの効果的です。
水分補給にもなり、ミネラルもしっかり含んだ飲料を取りましょう。
またビタミンも同時に摂取できるクエン酸サイクル飲料がお勧めです。
参照:かくれ脱水JOURNAL:http://www.kakuredassui.jp/