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マグネシウム

マグネシウムに富んだ水を飲むと股関節骨折を予防できるかもしれないと、ノルウェー公衆衛生研究所による研究で発表されました。

マグネシウムは約300種類の酵素の働きを助けるミネラルです。体内に存在するマグネシウムの約57%は骨に、40%が臓器や筋肉中に、3%が細胞外液と血中に存在ししています。
数多くの酵素の働きを、側面からサポートするように働くため、健康を維持するために必須のミネラルです。マグネシウムはカルシウムと拮抗作用があり、互いのバランスが大切で、マグネシウム1に対してカルシウムが2〜3の割合が理想的です。
具体的には、タンパク質の合成・エネルギー代謝・筋肉の収縮・血圧調整・体温調節・血糖値の調整などに働いています。特に、エネルギー代謝、クエン酸サイクルに必要なビタミンB1を保持する働きがあります。

今回の研究では、ノルウェーの飲料水の質にはかなりばらつきがあり、骨密度の発達においての役割を知るために、様々な地域の飲料水中のマグネシウムとカルシウムレベルの変動を調べ、マグネシウムとカルシウム濃度と大腿骨頸部骨折の発生率に相関があるかどうかを検討しています。

分析の結果、飲料水中に含まれるマグネシウムは、男女ともに股関節骨折を予防できることが示唆されたが、カルシウムに独立した保護効果は認められませんでした。
本調査の結果により、ノルウェーで股関節骨折が多い理由を理解するのに役立つことが期待できるという。マグネシウムが添加された飲料水で股関節骨折の数を減らすことが出来るからだといっています。

日本では、カルシウム不足がよく言われていて、カルシウムが入っている飲食品は多数あるが、マグネシウムも入っている飲食品は、カルシウムのほど数はない。今回は、骨折発生のみに焦点を当てた研究であったが、骨の形成ということに関しては、カルシウムだけでなくマグネシウムも、双方のバランスを考えつつ摂取する必要があることが分かる。

クエン酸サイクル飲料は、カルシウムだけでなく、マグネシウムも配合されている。さらにクエン酸にはキレート作用があり、ミネラルの吸収を助ける作用があります。ミネラル不足を気にする方にもお勧めです。

参考:Nationwide data on municipal drinking water and hip fracture: Could calcium and magnesium be protective ANOREPOS study
Bone Vol. 57, Iss. 1, November 2013, p84-91.