トップ > セミナー > ノンアルコール飲料が特定保健用食品に

ノンアルコール飲料が特定保健用食品に

『消費者庁は18日、サッポロビールと花王から特定保健用食品(トクホ)として申請があったビール風味清涼飲料水のノンアルコール飲料各1種類について、許可を正式決定した。ノンアル飲料では初の許可。「未成年者の飲酒の引き金になる」として内閣府消費者委員会が昨年8月に不適切と答申していたが、同庁は「安全性と有効性というトクホの条件を満たす」として、未成年者に販売しない酒類業界の自主対策の徹底を条件に答申を覆した。同庁の判断は今後、議論を呼びそうだ。』(引用元:毎日新聞

今回許可されたトクホのノンアルコールビールの商品名は、サッポロビールが商品名「サッポロプラス」、花王が商品名「ヘルシアモルトスタイル」というものです。「サッポロプラス」は「食物繊維の働きで、糖の吸収を穏やかにする」で、「ヘルシアモルトスタイル」は「茶カテキンを豊富に含み、脂肪を消費しやすくする」といった内容でトクホとして許可されました。

ここまでくると何でもかんでもトクホになるという印象を一般消費者に与えるのではないか。そもそもトクホはその商品を大量に摂取したら、健康になるというものではありません。トクホとなる商品を次々に許可をして、製品の数を増やしていくことも大事なことだと思いますが、消費者庁はもっとトクホとはどのようなものかということを広めていくことも大事な仕事なのではないかと考えます。

また、今回の件でノンアルコール飲料がトクホとして認められたという大きなニュース以外にも注目すべき点があります。トクホの認定は、企業から認定申請を受けた消費者庁が、すべての判断を下すわけではなく、その前に、含まれる成分の有効性と安全性について、内閣府消費者委員会に諮問し、その答申を参考にして、最終的には消費者庁長官が許可をするか決めるという流れになっています。

今回の商品は、消費者委の答申が『成分の安全性と有効性は問題ないとしたものの、「(トクホの有効性とは)食生活の改善に寄与し、健康の維持、増進が図られることで、未成年者の飲酒につながる可能性があれば、成分に問題がなくても食生活の改善に寄与することにはならない」として不適切』という結論だったのですが、消費者庁は「成分の安全性と有効性に問題がなく、飲むことで食生活の改善が図られ、条件を満たす」と許可理由を説明しました。

消費者委の答申を覆して、消費者庁がトクホの許可を出したのは初めてのケースとなります。許可された商品が発売される時も、された後も消費者庁の判断に対してまだまだ意見が出てきそうです。